2015年 05月 03日
ご飯をおいしく炊くために <炊飯器材の話> |
<お米のお話 その1> <お米のお話 その2> で
どんなお米を選んでいるかお話してきましたが、
今回はどの様な器材で炊飯するかのお話。
少々長いですがお付き合い下さい。
『髙野』で使ってきた炊飯の器材です!
『髙野』のご飯は鉄の羽釜から始まりました。
何故、鉄の羽釜を選んだのか?
古来からの炊飯を復刻したいと考えました。
鎌倉時代から使われ始めた鉄釜が現在の炊飯の原点のようです。
刀が青銅から鉄に変り、中世の日本では鉄は政府の持ち物で
、庶民にはまだ普及していませんでした。
農具や調理器具での普及には11世紀頃からで、安価になり広く
使われるのには鎌倉時代あたりに、ようやく一般使用へと変化したのでしょう。
懐石料理では非日常の演出が必要ですが、
あえてそこに非日常的な白米…古来のご飯にこだわり、天日干しのお米と鉄の羽釜を選びました。
昔のお米は全部、天日干しですから。
美味しいご飯とはどんなものか探究の日々。
大きな圧力を掛けたり、釜の高さや、蓋の材質を変えたり。
試行錯誤の末、『髙野』が考える”炊飯理論”がある程度、確立してきた事もあり、
更なる美味しさを求め、土鍋、アルミなどの違う素材の釜での可能性を探り始めました。
鉄釜での”炊飯理論”が、熱の伝わり方や保熱力の違う土鍋やアルミ鍋だと
どのような結果が得られるのか…?
全ての器材で、『髙野』のご飯の特徴である、外はしゃっきり、中はもっちりの
”逆アルデンテ”にすることは可能ですが、
食感、甘味の出方、後味にそれぞれの個性が出ます。
貸切営業の場合などには、違う器材のご飯を食べ比べていただいたりのしていますが、
鉄派、土鍋派… ぱっきり分かれるところではありますね^^
理想の炊飯とは?
米の表面を崩すことなく、芯まで十分に水分が入り、
中がアルファ化してもちもちすることを究極と考えています。
外側を硬めにパッキングした状態のご飯は、
米の中の養分の流失が最小限度であるということは、容易に想像がつくかと思われますが、
その場合は中に芯が残る(めっこ飯)事がほとんどで、
米の芯までよく火を通すということは、真逆の結果を引き起こすことになり、
つまりは、中までしっかり火を入れれば、表面が崩れぐずぐずのご飯になるのが結果として標準でした。
この相反する、外側硬く、中に十分火を入れる、という研究検証を継続すること10年。
『髙野』で使用している器材(写真1枚目)は写真に乗せられなかった物も含め
20個以上になりますが、同じ物は一つもありません。
見た目は同じ物のようですが、鉄やアルミは加工と処理を少しずつ変え、
土鍋は土の素材や釉薬はどれも別のものを作って頂き…
やっと究極のご飯、それを炊くための理想の器材…が見えてきました。
そしてここに副産物が生まれ、多少の理論を追加することで、
最強の硬水でも美味しく炊けるようになりました。
硬水での炊飯は、硬く(めっこ飯)、ぱさぱさになりやすく、
硬水地域の海外での日本食で苦労している点。
海外でも人気のお寿司は、舎利とネタの一体感を楽しむもの。
ご飯が美味しく炊けていなければ、その価値も半減です。
硬水でもしっかり炊ければ
日本の美味しいご飯が海外でも食べれるようになる訳です。
美味しい白米があって初めて、
和食の完全なるプレゼンが海外で行えるのでは!?…とまで思ってます^^
粘りが苦手な外国の方でも、この炊飯による逆アルデンテのご飯なら受け入れやすいですし、
白米がシンプル過ぎるのであれば、寿司飯や炊き込みなど味付けご飯で分かりやすくすることにより、
理解のハードルを下げることも可能かと考えます。
お米を食する国は世界にたくさんありますが、
白米の味をしみじみ美味しいと感じ、
人生最後の食事に何を食べたいかと問われれば
「白いご飯が食べたい」と答えるのは
日本のお米を食べ続けてきた人だけなのではないでしょうか…。
そんな日本のご飯というソウルフードを、
海外の方にも理解し、好きになってもらえる転機になればうれしい限りです。
また、この事に賛同し技術協力をしていただいている方々にとっても、
この実現は待ち望んでいることです。
東大阪のまいど号のように、皆様の気持ちを乗せ、
打ち上げたいものであります!
ちなみに、電気炊飯器ももちろん持っております。
これは今は無き番組「ほこ・たて」で戦った物。
電気炊飯器のお話はまた今度・・・
髙野 http://takano-gohan.com/
港区新橋1-11-1 JOYビル 2階
03-5537-3804
どんなお米を選んでいるかお話してきましたが、
今回はどの様な器材で炊飯するかのお話。
少々長いですがお付き合い下さい。
『髙野』で使ってきた炊飯の器材です!
何故、鉄の羽釜を選んだのか?
古来からの炊飯を復刻したいと考えました。
鎌倉時代から使われ始めた鉄釜が現在の炊飯の原点のようです。
刀が青銅から鉄に変り、中世の日本では鉄は政府の持ち物で
、庶民にはまだ普及していませんでした。
農具や調理器具での普及には11世紀頃からで、安価になり広く
使われるのには鎌倉時代あたりに、ようやく一般使用へと変化したのでしょう。
懐石料理では非日常の演出が必要ですが、
あえてそこに非日常的な白米…古来のご飯にこだわり、天日干しのお米と鉄の羽釜を選びました。
昔のお米は全部、天日干しですから。
美味しいご飯とはどんなものか探究の日々。
大きな圧力を掛けたり、釜の高さや、蓋の材質を変えたり。
試行錯誤の末、『髙野』が考える”炊飯理論”がある程度、確立してきた事もあり、
更なる美味しさを求め、土鍋、アルミなどの違う素材の釜での可能性を探り始めました。
どのような結果が得られるのか…?
全ての器材で、『髙野』のご飯の特徴である、外はしゃっきり、中はもっちりの
”逆アルデンテ”にすることは可能ですが、
食感、甘味の出方、後味にそれぞれの個性が出ます。
貸切営業の場合などには、違う器材のご飯を食べ比べていただいたりのしていますが、
鉄派、土鍋派… ぱっきり分かれるところではありますね^^
理想の炊飯とは?
米の表面を崩すことなく、芯まで十分に水分が入り、
中がアルファ化してもちもちすることを究極と考えています。
外側を硬めにパッキングした状態のご飯は、
米の中の養分の流失が最小限度であるということは、容易に想像がつくかと思われますが、
その場合は中に芯が残る(めっこ飯)事がほとんどで、
米の芯までよく火を通すということは、真逆の結果を引き起こすことになり、
つまりは、中までしっかり火を入れれば、表面が崩れぐずぐずのご飯になるのが結果として標準でした。
この相反する、外側硬く、中に十分火を入れる、という研究検証を継続すること10年。
『髙野』で使用している器材(写真1枚目)は写真に乗せられなかった物も含め
20個以上になりますが、同じ物は一つもありません。
見た目は同じ物のようですが、鉄やアルミは加工と処理を少しずつ変え、
土鍋は土の素材や釉薬はどれも別のものを作って頂き…
やっと究極のご飯、それを炊くための理想の器材…が見えてきました。
そしてここに副産物が生まれ、多少の理論を追加することで、
最強の硬水でも美味しく炊けるようになりました。
硬水での炊飯は、硬く(めっこ飯)、ぱさぱさになりやすく、
硬水地域の海外での日本食で苦労している点。
海外でも人気のお寿司は、舎利とネタの一体感を楽しむもの。
ご飯が美味しく炊けていなければ、その価値も半減です。
硬水でもしっかり炊ければ
日本の美味しいご飯が海外でも食べれるようになる訳です。
美味しい白米があって初めて、
和食の完全なるプレゼンが海外で行えるのでは!?…とまで思ってます^^
粘りが苦手な外国の方でも、この炊飯による逆アルデンテのご飯なら受け入れやすいですし、
白米がシンプル過ぎるのであれば、寿司飯や炊き込みなど味付けご飯で分かりやすくすることにより、
理解のハードルを下げることも可能かと考えます。
お米を食する国は世界にたくさんありますが、
白米の味をしみじみ美味しいと感じ、
人生最後の食事に何を食べたいかと問われれば
「白いご飯が食べたい」と答えるのは
日本のお米を食べ続けてきた人だけなのではないでしょうか…。
そんな日本のご飯というソウルフードを、
海外の方にも理解し、好きになってもらえる転機になればうれしい限りです。
また、この事に賛同し技術協力をしていただいている方々にとっても、
この実現は待ち望んでいることです。
東大阪のまいど号のように、皆様の気持ちを乗せ、
打ち上げたいものであります!
ちなみに、電気炊飯器ももちろん持っております。
これは今は無き番組「ほこ・たて」で戦った物。
電気炊飯器のお話はまた今度・・・
髙野 http://takano-gohan.com/
港区新橋1-11-1 JOYビル 2階
03-5537-3804
by takanomesi
| 2015-05-03 16:20
| 食材
|
Comments(2)
Commented
by
ダヤマ
at 2015-07-08 21:13
x
ただただ圧倒です。
ずらっと並んだ姿はもはや鍋を超え、
法器みたく感じます。
思わず手を合わせてしまいそうです(-m-)” パンパン
時間と場所で、すぐは行けないですが
一度お店に行って食べてみたいと思いました。
ずらっと並んだ姿はもはや鍋を超え、
法器みたく感じます。
思わず手を合わせてしまいそうです(-m-)” パンパン
時間と場所で、すぐは行けないですが
一度お店に行って食べてみたいと思いました。
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Commented
by
takanomesi at 2015-07-28 12:47